★ デモ演奏
ジャズの演奏でのブルース形式は、ライブでもジャムセッションでもよく演奏します。
今回は、
1)ブルーススケール中心
2)ビバップの手法
3)コンテンポラリーな手法
の3つのスタイルでアドリブを出来るように少しずつ見ていきたいと思います。
まず、コード進行を確認しましょう。
基本的なジャズブルースの進行(key=F)は、以下の通りです。
|F7 |Bb7 |F7 | |
|Bb7 |Bdim |F7 |D7 |
|G7 |C7 |F7 D7|G7 C7 |
細かい部分は曲によって、プレイヤーによって変わりますが基本はこんな感じ。
実際にコードを弾いていきます。
まず、最初にそのまま弾いてみます。
その後、裏コードを交えて弾いて行きます。
裏コードとは、コードの構成音はそのままにして、ルートを増4度の関係の音に変えたものを言います。
例)F7(b13) の裏コードは、B7(9)
ドミナントモーションが起こる場合に、裏コードを通ることでスムーズ且つ効果的に進行します。
ギターの役割的には、構成音を弾くことになりますので、実は裏コードに行っても行かなくても弾く内容はかわりません(ルートを弾かなければ)。
ただ、知っておいて損はないので、覚えておきましょう!
それぞれのコードを見ていきます。
・それぞれのコードは、ジャズではルートを弾きません!
最初は慣れないかもしれませんが、ルートを弾かないことで左手の自由度が上がります。
・コードのタイプを確定するのは、3度と7度になります。
最初にこの2つを探して弾けるようにしましょう!
・テンションは、曲のメロディーによって使えるものが変わります。
その制約がない場合は、自分でルールの中から自由に選んで構いません。
それでは、使えるテンションをそれぞれのコードで見て行きましょう!
F7 (i7) …… 9, 13, #11, #9 (ナチュラル系)
Bb7に解決する時は、オルタード系(b9, #9, b5, b13)を使えます。
Bb7(iv7) …… 9, 13, #11
Eb7(bvii7) ….. 9, 13, #11
D7(vi7) …… b9, #9, b5, b13
Gm7(iim7) …… 9, 11
G7(ii7) …… ダイアトニック的な場合、9, 13, #11
ブルージーに行く場合、b9, #9, b13
C7(v7) …… 基本的に何でも合うが、ブルースっぽいのは #9, b13
前回少し話したii7のテンションですが、もう少し詳しく解説します!
Grant GreenやGeorge Benson、Kenny Burrellなど、ブルースの雰囲気をキープしてスウィングさせるのが素晴らしいギタリストが昔は沢山いました。 どうも軽く見られがちなブルーススケールを使ったアドリブですが、案外いい雰囲気で演奏するにはかなりの経験が必要です。
1)使用スケール
使用スケールを見ていきましょう!
基本は、そのキーのマイナーペンタトニックスケールです。
今回はFのブルースなので、Fマイナーペンタトニックスケールを使います。
これに音を足していくことになります。
b5 ブルーノート
あとは、コードの3度の音を足します。
F7の時は、Aの音。
Bb7の時は、Dの音。
実際に、ブルーススケール中心にアドリブしてみます。
基本は、
・マイナーペンタ+その時のコードの3度をたす
あと、コードに関係なく
・キーの6度の音を強調する
・キーのマイナー3度の音合わせて使う
ダブルストップとは、2つの音を同時に出すことです。
復音のリフのようなものと言えば、分り易いでしょうか?
ジャズギターでも、特にブルースよりの表現をするときに便利です。
前回のダブルストップの追加です。
最後に紹介したダブルストップを3フレット下げてそのまま弾くと、もう少し明る目のブルースフレーズ(6度とマイナー3度中心のフレーズ)になります。
ダブルストップシリーズですが、今度は今までのを組み合わせて弾けるジョージベンソンのフレーズを紹介します。
グラントグリーンがメロディーを弾く時の歌い方の一つを紹介します。
ホーンプレイヤーのような手法だと思います。
ホーンライクと言われる所以でしょうか。
ブルーススケールを中心にしたアプローチでジャズブルースに取り組んできましたが、 これでひとまず区切りです。
これまでのアプローチは、
1)マイナーペンタトニックスケール
2)ブルーノート(b5)を絡める
3)コードトーンを足す(特に3度!)
4)6度を絡めたオーソドックスなフレージング
5)ダブルストップなどで盛り上げる
ビバップとは、平たく言うと、コードに基づいてアドリブフレーズを作って演奏していくスタイルになります。
★特徴
コードの知識(コードトーン、テンション等)が必要になります。
コードの変わる部分をフレージングすることが多いです。
実際に必要な知識について、ざっと見ていきます。
3) 頭の3小節
最初はゆっくりとフレーズを考えていきましょう!
小さなモチーフを想定して、そこから発展させてビバップらしいフレーズを作っていきます。
案外長いフレーズを丸覚えするよりも、小さなグループをアレンジしていく能力の方が実用的です。
ここは初めてのドミナントモーションを表現できるポイントです。
先ずは、ビバップ=コードの細分化、ということで、F7をCm7-F7に分割します。
その後、F7でのアプローチを色々考えていきます。
今度は同じ部分ですが、F7の裏コード=B7を想定。
それを更に分割して、F#m7-B7を考えます。
Wes Montgomeryが得意にしていたアプローチですね。
ビバップ編のつづき、コンテンポラリー編も随時アップしていきます!